2018年度活動報告

2018年度活動報告

1.2018年度の私たちの取り組みについて

2018年度の活動の大きな事業は7月に発生した西日本を中心とする広範囲な豪雨災害への被災地支援活動であった。
KSVネットとして組織的に支援活動に取り組むこととし、そのために7月15日(日)に臨時理事会を開催し「NPO法人神奈川災害ボランティアネットワーク災害被災地活動要綱」を制定し、その上で「KSVネット西日本豪雨災害被災地支援委員会」を設置し被災地にボランティアバス派遣を行うこととした。
ボランティアバス派遣は合計7便計画し、その中で天候等の都合により2便が中止となった。
2011年東日本大震災の2年間のボランティアバス派遣事業以降、本格的な組織的ボランティアバス派遣事業としていろいろな課題を克服しながら成果を残すことが出来た。この事業へご支援・ご協力いただいた団体及び個人に感謝したい。
なおかながわ県民活動サポートセンターが呼びかけた「かながわ“平成30年7月豪雨”ボランティア活動支援プロジェクト」にも参加した。(詳しくは別紙報告書参照)

また、8月26日(日)ビッグレスキューかながわ・海老名、9月1日(土)九都県市合同防災訓練・川崎市川崎区東扇島に組織的に取り組み、当日の訓練参加と共にかながわ県民活動サポートセンターに災害時に設置される「かながわ災害救援ボランティアセンター」の訓練を4者協(かながわ県民活動サポートセンター、神奈川県社会福祉協議会、神奈川県共同募金会、神奈川災害ボランティアネットワークで構成)を開催した他、独自の訓練も展開した。この訓練に向けてインターネット講座を開催し人材養成に取り組んだ。

そして、茅ヶ崎市で開催された「TEAM防災ジャパン」、第14回静岡県内外災害図上訓練」に三役を中心として参加し、全国の災害ボランティア団体や神奈川県外の行政や内閣府等との意見交換を行った。

広報委員会では2回の会報の発行と新しいリーフレットの作成を行い団体と活動の紹介に努めた。

またインターネット委員会(旧称ホームページ委員会)では新しいホームページ及びFacebookの立ち上げに取り組み、メーリングリストの運用を開始した。

そして西日本豪雨災害被災地支援ボランティアバス派遣事業の報告会、前防災大臣小此木氏を講師とした“災害ボランティア週間”神奈川の街を災害から守る講演会」、コミュティカレッジ、防災ギャザリング、パシフィコ横浜で開催された「災害対策技術展」への出展などに取り組んだ。

2.理事会及び運営委員会の開催 内容については議事録参照

番号 開催年月日 曜日 理事会・運営委員会・総会
 1 2018年 4月24日  火 第1回理事会
 2 5月 8日  火 第1回拡大運営委員会
 3 5月21日  月 第2回拡大運営委員会
 4 5月29日  火 第2回理事会
 5 6月12日  火 2018年度総会
 6 7月15日  日 臨時理事会
 7 7月24日  火 第3回理事会
 8 8月28日  火 第1回運営委員会
 9 9月25日  火 第3回拡大運営委員会
10 10月23日  火 第2回運営委員会
11 11月27日  火 第3回運営委員会
12 12月25日  火 第4回拡大運営委員会
13 2019年 1月29日  火 第5回拡大運営委員会  
14 2月26日  火 第4回運営委員会
15 3月26日  火 第6回拡大運営委員会 
16 4月23日  火 2019年度第1回理事会
17 5月 7日  火 第1回拡大運営委員会
18 5月22日  水 第2回拡大運営委員会
19 5月28日  火 第2回理事会
20 6月11日  火 2019年度総会

* 1月29日(火)第4回理事会は決議すべき議題がなかつたため第5回拡大運営委員会に変更

3.西日本豪雨被災地支援ボランティアバス派遣事業

6月29日に発生した台風7号は太平洋高気圧の外側を回り込むように7月4日にかけて東シナ海を北上し、対馬海峡付近で進路を北東に変えて日本海上に抜けたが、太平洋高気圧の影響で梅雨前線が7月2日から5日頃に北海道に停滞し北海道の広範囲で雨量が7月の月降水量の平年値を超えるなどし、北海道では堤防の決壊や内水氾濫に伴う床上・床下浸水、崖崩れ等の被害が出た。
その後、太平洋高気圧が南東に移動したことで、北海道付近にあった梅雨前線が南下。九州地方では台風の影響による雨が7月3日頃から降り続いていたが、特に7月5日から8日にかけて梅雨前線が西日本付近に停滞し、そこに大量の湿った空気が流れ込んだため、大雨が連日続いた。梅雨前線は9日に北上して活動を弱めるまで日本上空に停滞。
西日本から東日本にかけて広い範囲で記録的な大雨となった。
この豪雨により、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、死者数が200人を超える甚大な災害となった。また、全国で上水道通信といったライフラインに被害が及んだほか、交通障害が広域的に発生した。平成に入ってからの豪雨災害としては初めて死者数が100人を超え、「平成最悪の水害」と報道された。さらに、昭和に遡っても1982年に300人近い死者・行方不明者を出した長崎大水害(昭和57年7月豪雨)以降、最悪の被害となった。
西日本豪雨災害の報を受けKSVネットでは直ちに三役会議を開催しこの広範囲にわたる豪雨災害の被災地支援に取り組むことを決定した。
そして、これまでKSVネットとしてこのような大規模な災害における被災地支援のための要綱が決定されていなかったことを踏まえて7月15日(日)に臨時理事会を開催し「NPO法人神奈川災害ボランティアネットワーク災害被災地活動要綱」を理事全員一致で決定しその手続きと活動資金を確認すると共に「KSVネット西日本豪雨災害被災地支援委員会」を決定した。
そして支援対象地域を決めるために岡山県総社市と倉敷市に先遣隊を派遣し被害の把握と地元の災害ボランティアセンターとの調整を行った。
その結果に基づき7月20日(金)21日(土)22日(日)に第1便として岡山県総社市へボランティアバス派遣を行った。
また、第3便はかながわ県民活動サポートセンターが事務局として発足した「かながわ平成30年7月豪雨”ボランティア活動支援プロジェクト」に協力し、夏休み中の高校生及び大学生を主たる対象とした参加費無料のボランティアバスを岡山県倉敷市に派遣した。
そして、第4便は神奈川県内の社会福祉協議会から応援の職員が派遣されている広島県三原市、尾道市にボランティアバスを派遣するために先遣隊を事前に派遣しその結果に踏まえて現地で社協職員との交流も考えて尾道市へ派遣した。
これらのボランティアバスの企画、広報、参加者受付、事前研修、当日の運営スタッフなどにかながわ災害ボランティアバスチームから全面的な支援と協力をいただくと共に、KSVネットとしてもフェィスブックによる広報と参加者募集、ボランティアバスへのスタッフの派遣そして事前研修会の講師の養成と派遣などに取り組んだ。

この活動に中央共同募金会より活動資金の援助を得た。

便 ボランティアセンター 日程 備考
岡山県総社市 7/20(金)~
7/22(日)
40名(男性30名・女性10名)
岡山県倉敷市
(台風のため中止)
7/27(金)~
7/29(日)
(参加申込み39名)
3 岡山県倉敷市 8/10(金)~
8/12(日)
42名(男性32名・女性10名)
【学生枠】高校生8名・大学生12名
広島県尾道市
*三原市と共同運営
8/17(金)~
8/19(日)
33名(男性24名・女性9名)
岡山県倉敷市
(雨天のため中止)
9/7(金)~
9/9(日)
(参加申込み41名)
岡山県倉敷市 9/22(土)~
9/24(月)
36名(男性21・女性15名)
岡山県倉敷市 2/1(金)~2/3(日) 32名(男性23名・女性9名)
【学生枠】大学生2名

4.各委員会からの報告と課題と予定

①広報委員会

◯2018年度の活動報告
・会報の発行
 第5号 2018年(平成30年)12月25日発行
 編集委員会2回(9/10、11/5)
・KSVネット紹介パンフレット改訂版作成
 2019年(平成31年)2月28日発行
・災害救援ボランティアコーディネーターハンドブックの在庫が無くなり、予算の範囲内で増刷した。
・各委員会活動の取材
・ホームページの活用 会報発行都度ホームページに掲載
◯2019年度の活動計画
・会報の発行
 年2回発行予定(第6号 7月、第7号 3月)
各委員会の活動、会員紹介等
・紹介パンフレットのサイズ変更を検討
 コスト面を考え企画サイズを検討する
・ハンドブックの増刷

②講座委員会

2018年度の活動報告

〇今後の活動課題及び予定

  • 8月3日(土)10日(土)24日(土)の3日間「災害時ボランティア活動実践トレーニグ」としてコミュニティカレッジを開催する。
  • 初級、中級の災害ボランティアコーデイネーター養成講座を検討する。

③支援室委員会

〇2018度年の活動報告

○4者協定会合内容

  • 2018年3月に4者協定による会合にて、ビッグレスキューの事前訓練実施についての日程等の打ち合わせがあり、支援室としては早めの対応を図ることにした。
  • 支援室委員会として、一週間前からの訓練に入り、第1報の訓練のお知らせを基にMLを使い、各地域ネットとの訓練の共有を図った。

○支援室独自対応

  • ビックレスキュー海老名開催前の7月20日(金)から第1報を発信し、7月24日(火)に支援要請の回答を基に、7月26日(木)に支援供給とのマッチングを図り、情報の双方向性の確認を図った。
  • 10月28日(日)の横須賀災害ボランティアネットワークのコーディネーター養成講座の後、11月9日(金)に災害時ボランティアセンター設置訓練を実施、支援室、横須賀災害ボランティアネットワーク間の情報訓練を支援室・葉山SVN・横須賀SVNとの3局によるテレビ会議を用いてのICT・SNSを使用した訓練を行った。支援要請及び供給要請のマッチングを試み、情報の双方向性の訓練の大切さを実感することが出来た。

〇今後の活動課題及び予定

  • 支援室委員会として、令和元年に当たりビックレスキュー伊勢原での訓練を伊勢原社協・伊勢原SVNとの共生を図りテレビ電話方式のICT・SNS情報を用い様式も改良を加え情報の敏速性を図り(DITS)(Webフォーム)を使った情報の双方向性の訓練を加え、特に(DITS)(Webフォーム)によるニーズ取り込み訓練を実施していく、そのための講習会を実施し広く一般の県民を巻き込み、ビックレレスキュー伊勢原に繋げていきたい。

④防災教育委員会

〇2018年度の活動報告

〇今後の活動課題及び予定

  • ボーイスカウト神奈川連盟と協力してインオを会場とする子ども防災キャラバンに取り組む。
  • 横浜市民防災センターの施設を活用した様々な防災減災イベントや訓練を検討し実行に向けて関係者等との協議を開始する。
  • 福祉防災など災害に係わる様々な問題についてそれぞれの専門家及び当事者を講師として招いて連続した勉強会を開催する。

⑤図上訓練委員会

〇2018年度の活動報告

  • 神奈川県社会福祉協議会からの社協ブロック別ボランティア支援センター立ち上げ図上訓練の助成金がなくなった為社協対象でなく地域災害ボランティアネットワーク対象の講座をインターネット関連で開催した。
  • 2月23日(土)24日(日)静岡県静岡市で開催された静岡県内外災害ボランティア図上訓練に三役を軸に参加した。

〇今後の活動課題及び予定

  • 地域の災害ボランティアネットワークと共催して災害時の情報連絡網を確立するための人材育成とそのネットワーク化を目指して人材養成講座を開催していく。
  • 支援センターの立ち上げ訓練と連動して情報連絡訓練を積み上げ地域での図上訓練として展開していく。

⑥避難者支援委員会

〇2018年度の活動報告

  • KSVネットとしての避難者支援のスタンスは、福島県の避難者支援事業を中心に添え、かながわ避難者と共にあゆむ会、横須賀災害ボランティアネットワークを中心に後方支援を実施している。このスタンスはこれからも堅持していく。令和元年においても、あゆむ会、横須賀SVNとの連携を図り進めていく。

〇今後の活動課題及び予定

  • 横須賀災害ボランティアネットワーク主催の横須賀しゃべり場7月会(料理教室)・10月会(鎌倉歴史散策ツアー)・2月会(いちご狩り交流会)をはじめ、かながわ避難者と共にあゆむ会(11月開催:出張お茶っこ交流会横須賀会場)を中心にバックアップを図りたい。

⑦インターネット委員会(旧称ホームページ委員会)

〇2018年度の活動報告

  • KSVネット ICT環境整備計画案を運営委員会に提示(2018年9月18日)
  • メーリングリストの運用開始(2018年9月8日)
  • ウェブサイト新設(2018年11月)
  • 新旧KSVネットサイトのコンテンツとサイト運用案を運営委員会に提示(2018年12月3日)
  • Facebookページ新設(2018年12月30日)
  • KSVネットボラバス第7便募集サイト新設および運営(2018年12月30日~)
  • インターネット委員会を実施し運営対象と管理体制を決定(2019年1月13日)

運営の対象となるサーバとサイト(計5種類)

  • さくらインターネットのレンタルサーバ
  • ウェブサイト(神奈川災害ボランティアネットワーク)
  • Facebookページ(神奈川災害ボランティアネットワーク)
  • Facebookページ(Ksvネット西日本豪雨災害ボラバス)
  • Facebookグループ(神奈川災害ボランティアネットワーク運営)

〇今後の活動課題及び予定

  • 「インターネット運用規程」を改訂しホームページの運用を活発化していく。
  • インターネットの人材育成に取り組む。

⑧防災訓練委員会

〇2018年度の活動報告

  • 2018年は8月26日(日)ビッグレスキューかながわ・海老名、9月1日(土)九都県市合同防災訓練・川崎市川崎区東扇島に準備の段階から打ち合わせ部会に毎回参加し、当日はテントにおける展示やボーイスカウト等との連携、神奈川県歩け歩け協会の防災ウォークなど受け入れなど多彩な訓練として展開した。
  • 神奈川県内の全ての市町村の防災訓練の日程、開催場所などを調査し一覧表にして発表した。

〇今後の活動課題及び予定

  • 8月31日(土)ビッグレスキュー伊勢原に準備の段階から積極的に取り組んでいく。
  • 市町村における地域の防災訓練の情報を集め県全体の連携を図っていく。
  • 津波対策神奈川県一斉訓練などの企画及び参加を呼びかけて県全体と地域との訓練のネットワーク化を目指していく。

⑨KSVネット西日本豪雨災害被災地支援委員会

〇2018年度の活動報告

  • 7月15日(日)の臨時理事会における委員会発足以降、7回のボランティアバス派遣を企画し計5回、岡山県総社市、倉敷市及び広島県尾道市に183名のボランティアを派遣することが出来た。
  • 中央共同募金会より支援活動助成金を受けることが出来た。
  • 災害支援のボランティアバス派遣のノウハウを確保することが出来た。

〇今後の活動課題及び予定

  • 2019年5月28日(火)2019年度第2回理事会において解散する予定。

⑩事務局委員会

〇2018年度の活動報告

事務局委員会ではKSVネットの日常活動と理事会及び運営委員会の議案書及び議事録の作成等に取り組んだ。
またサポートセンター11階支援室及び1階の資材置き場の片付けを行い、災害時の支援センターとしての機能確保に向けて取り組んだ。
そして10月より月曜日から金曜日の午後に支援室に連絡と様々な作業を行うために1名のスタッフを常駐させる体制を取るようにした。
まだまだ支援センターの機能の確保とKSVネットの事務局体制の確立には課題が多いが一つ一つ解決していきたいと考えている。

〇今後の活動課題及び予定
サポートセンター11階支援室が災害時の支援センターとして確実に機能するためにはそのための設備と人材確保が不可欠である。人材養成と共に機材の確保と使用訓練などをサポートセンター等と協議しながら解決していきたいと考えている。そのためにも支援室の整理整頓に率先して取り組む必要がある。

5.勉強会、講演会及び報告会等の開催

2018年度は西日本豪雨災害被災地支援活動に集中したため勉強会、講演会及び報告会等を計画的に展開することが出来なかったことを反省している。
県内外の様々な団体及び個人を講師とした交流を兼ねた勉強会及び講演会を年間通して計画していく必要がある。
実施及び参加した勉強会、講演会及び報告会

  • 5月12日(土)防災ギャザリング2018開催
  • 7月14日(土)海老名市災害ボランティアコーディネーター養成講座
  • 7月28日(土)8月5日(日)川崎市災害ボランティアコーディネーター養成講座
  • 8月26日(日)ビッグレスキュー海老名 245名参加
  • 9月1日(土)九都県市合同防災訓練・川崎市川崎区東扇島 208名参加
  • 10月20日(土)27日(土)11月10日(土)17日(土)の4日間「災害時ボランティア活動実践トレーニング」コミュニティカレッジ
  • 11月17日(土)西日本豪雨災害被災地支援ボランティア交流バス報告交流会
  • 1月12日(土)「“災害ボランティア週間”神奈川の街を災害から守る講演会」講師 小此木八郎前防災担当大臣 他
  • 2月2日(土)茅ヶ崎市 「TEAM 防災ジャパン」参加
  • 2月6日(水) 「かながわ広域災害ボランティアを考えようフォーラム」
  • 2月7日(木)8日(金)パシフィコ・災害対策技術展 出展
  • 2月16日(土)支援センター立ち上げ独自情報訓練開催
  • 2月23日(土)24日(日)第14回静岡県災害図上訓練 参加
  • 2月24日(日)イオン藤沢 イオン防災キャラバン
  • 3月9日(土)  「東日本大震災8年のかながわ広域災害ボランティア交流会」
  • 3月9日(土)~11日(月) サポートセンター1階ロビー 活動紹介展示
  • 3月11日(月) 東日本大震災8年 追悼キャンドル
  • 3月18日(月)サポートセンター災害救援ボランティア支援センター情報訓練

2019年6月25日更新