2016年度(平成28年度)活動報告

2016年度(平成28年度)活動報告

1.2016年度(平成28年度)の災害の状況と私たちの取り組みについて

2016年(平成28年)4月14日21時26分に熊本地震が発生した。その後熊本県と大分県で相次いで長期にわたり地震が続いた。

熊本地震の大きな特徴は最も大きい震度7を観測する地震が4月14日夜および4月16日未明に2回発生したほか、最大震度が6強の地震が2回、6弱の地震が3回発生していることにある。日本国内の震度7の観測事例としては、4例目(九州地方では初)一連の地震活動において、現在の気象庁震度階級が制定されてから初めて震度7が2回観測された。また、一連の地震回数(M3.55以上)は内陸型地震では1995年以降で最多となっている。

熊本地震では避難所の開設と運営、車内での宿泊、支援物資の搬送と配布などが問題となった。

また、この熊本地震への被災地支援活動は、被災地が遠いこともあり、やまと災害ボランティアネットワークや横浜YMCA、生活協同組合及び県内有志団体・個人の取り組みが中心となった。また、後方支援活動として街頭募金等を行った。

神奈川災害ボランティアネットワークでは10月13日(木)に「熊本地震に学ぶ・・・その教訓を神奈川に生かそう」というテーマで神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市4者を招いた初めての報告会を開催した。

熊本地震の災害ボランティア活動において「NPOくまもと」と「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」が熊本県内で活動する熊本地震支援団体等が集まり情報交換する「火の国会議」が連日開催されて団体同士の活動情報の共有、被災地域の状況に関する情報の提供、国・県・市町村から出される情報の提供、シーズやニーズのマッチングなどが行われたことに注目する必要がある。

また、2016年(平成28年)12月22日に新潟県糸魚川市において駅前のラーメン店の大型こんろの消し忘れによって「糸魚川大規模火災」が発生した。

この災害に対して現地視察と糸魚川市地域たすけあいボランティアセンターの激励と活動義援金の寄付を行った。そして2017年(平成29年)3月6日(月)に「大規模火災から街を守る・横浜の地震火災対策及び糸魚川大規模火災視察報告」を開催し、横浜市担当者からのからの横浜の地震火災対策の講演と視察の報告を行った。

一方、神奈川県では2017年(平成29年)3月を目指した神奈川県地域防災計画(地震災害対策計画)」の改訂が提案され、パブリックコメントの募集があり、神奈川災害ボランティアネットワークでは2016年(平成28年)10月25日に神奈川県の担当者を招き勉強会を開催。その勉強会において積極的な意見を提案し、防災減災活動における人材育成と小中学校及び高校における防災教育の重要性と共に災害ボランティアの活動の活発化の必要性について地地域防災計画に盛り込むことが出来た。

2.2016年度(平成28年度)活動の概略

2016年度(平成28年度)は委員会方式を取り入れ各課題別委員会を軸にして活動展開した。それぞれの委員会では所属する理事及び運営委員の熱心な取り組みによって成果をあげることが出来た。

また理事会及び拡大運営委員会等の開催により各委員会の取り組みの進捗状況の確認や当面する課題等の情報共有などに努めた。

さらに「熊本地震」や「糸魚川大規模火災」などの報告会などを開催した。

各委員会で取り上げた課題は今後もその内容の充実と問題点の解決に向けて継続した取り組みが必要がある。

しかし組織拡大や地域の災害ボランティアネットワーク及び県レベルの組織団体との交流と連携などに課題を残した。

3.理事会及び運営委員会の開催 内容については議事録参照

番号 開催予定日 曜日 理事会・総会
 1 6月21日  火 2016年度総会 第1回理事会
 2 6月25日  土 第2回理事会
 3 7月26日  火 第1回拡大運営委員会
 4  8月30日  火 第3回理事会 第1回運営委員会
 5  9月27日  火 第2回運営委員会
 6 10月25日  火 第4回理事会 中止 地域防災計画説明会
 7 11月15日  火 第1回委員長会議
 8 12月20日  火 第3回運営委員会
 9  1月24日  火 第4回運営委員会
10  2月28日  火 第2回委員長会議
11  3月 7日  火 第4回理事会 追加
12  3月28日  火 第2回拡大運営委員会
13  4月11日  火 2017年度第1回理事会

4.各委員会からの報告と課題と予定

①広報委員会

〇2016年(平成28年)の活動報告
・従来の会報を一新して発行を再開した。
 第1号 2016年(平成28年)8月30日
 第2号 2017年(平成29年)3月1日
・ホームページの活用 会報発行都度ホームページに掲載
・KSVネットの紹介パンフレット
 事務局関係の変更を見込んだが現状の継続になったため新規作成を見送った

〇今後の活動課題及び予定
2017年度(平成29年度)も年2回の発行を予定している

②講座委員会

〇2016年(平成28年)の活動報告
・2016年度(平成28年度)コミュニティカレッジ7月2日(土)~8月20日(土)全6回「災害ボランティアコーディネーター養成講座」を開催したが参加者が少なかった
・防災減災に取り組む人材育成の講座の在り方について検討した
・「災害ボランティアコーディネーター養成講座」を初級及び中級に分けて内容を再検討することとした

〇今後の活動課題及び予定
・資格制度の導入について検討した
・図上訓練、避難所運営などのテキストを作成する必要がある
・各講座の講師をつくることが必要である

③支援室委員会

〇2016年(平成28年)の活動報告
・4者(KSVネット、県サポートセンター、県社協、県共同募金会)協定委員会に参加した
・支援室在り方検討委員会を開催した
・2016年(平成28年)9月27日西湘地区防災訓練に伴うセンター立ち上げ訓練に参加した
・2017年(平成29年)1月23日座間市防災訓練に伴うセンター立ち上げ訓練に参加した
・KSVN内の緊急連絡網の整備を行った

〇今後の活動課題及び予定
・KSVNとして独自の訓練を行う必要がある
・緊急連絡網などを活用した訓練を考える
・備品の見直しと必要なものの確保に取り組む

④高校生委員会

〇2016年(平成28年)の活動報告
・2017年(平成29年)3月25日(土)平塚市で高校生対象の講座と訓練を開催した
・講座と訓練の開催に向けて打ち合わせ会を開催した

〇今後の活動課題及び予定
・高校生に限定しないで小中学生も含めた防災教育の観点からの取り組みを考える必要がある
・学校等との連携を図る必要がある
・委員会の名称の変更を検討する

⑤図上訓練委員会

〇2016年(平成28年)の活動報告
・2016年(平成28年)12月7日(水)アミューあつぎ・厚木市 県央地区 開催
・2017年(平成29年)1月19日(木)三浦市総合福祉センター・三浦市 湘南地区開催
・2017年(平成29年)3月24日(金)てくのかわさき・川崎市高津区
各地域の社会福祉協議会等の参加により3回の図上訓練を開催した
・各地区での図上訓練の開催に向けて各地域の社会福祉協議会と事前打ち合わせを行うと共に準備のための会議を開催した

〇今後の活動課題及び予定
・地域の社会福祉協議会と災害ボランティアと連携した訓練として定着させていく必要がある
・各地区の社会福祉協議会の横の連絡が取れるようにしていく必要がある

⑥避難者支援委員会

〇2016年(平成28年)の活動報告
・年3回開催された神奈川県安全防災局主催の「かながわ避難者支援会議」に出席し県内の情報を共有化した
・横須賀災害ボランティアネットワークの取り組みについて報告した

〇今後の活動課題及び予定
・担当が1名なので担当スタッフを増やして欲しい
・神奈川県内の避難者支援の活動と連携していくことを考えていく

⑦事務局委員会

〇2016年(平成28年)の活動報告
・理事会及び運営委員会の事務処理を行った
・月1回の事務局会議を開催し当面する課題と事務処理に取り組んだ
・かながわ県民センター11階災害ボラ支援室の片づけを行いレイアウトの改善を検討した
・かながわ県民センター101会議室の資材について点検しレイアウトの検討を行った

〇今後の活動課題及び予定
・実際に動けるスタッフの数が少なくこれから増えていくだろう事務処理等に対応できるように新しいスタッフを増やしていく必要がある
・県内の各地域や団体等との連絡を密にして共同で取り組む事業を配置していく必要がある
・印刷・郵送・連絡などの事務局の日常的な運営に資金が必要である

5.勉強会、講演会及び報告会等の開催

〇かながわ・よこはま防災ギャザリング2016
2016年(平成28年)5月14日(土)
横浜市民防災センター及び沢渡中央公園で「かながわ・よこはま防災ギャザリング2016」を開催した。神奈川災害ボランティアネットワークは共催。

〇2016年度(平成28年度)コミュニティカレッジ
2016年(平成28年)7月2日(土)~8月20日(土)全6回
「災害ボランティアコーディネーター養成講座」を開催した。

〇ビックレスキューかながわ2016 神奈川県・横須賀市合同総合防災訓練
2016年(平成28年)9月11日(日)
横須賀市武山の自衛隊駐屯地内で開催された合同総合防災訓練に参加した

〇「熊本地震に学ぶ・・・その教訓を神奈川に生かそう」
・2016年(平成28年)10月13日(木)午後6時30分~8時30分
熊本地震の被災地に神奈川県をはじめ県内の市町村から幅広い支援活動が行われました。その体験報告をいただき、これからの神奈川の防災について情報共有をしたいと思います。県内民間団体等のボランティア活動報告もあります。

1.神奈川県からの報告 神奈川県安全防災局安全防災部災害対策課支援調整グループ
 グループリーダー 瀬尾 あゆこ氏
2.横浜市からの報告  横浜市総務局危機管理課担当係長 大矢 直氏
3.川崎市からの報告  川崎市総務企画局危機管理室 担当係長 早川雄大氏
4.相模原市からの報告 相模原市危機管理局緊急対策課総括副主幹 新田英夫氏
5.神奈川県内熊本地震支援団体情報交換会からの報告 神奈川県内熊本地震支援団体情報交換会 市原 信行氏(やまと災害ボランティアネットワーク)

〇eコミマップのマスターに向けたスキルアップ学習会
2017年(平成29年)1月11日(水) 18時~20時 
かながわ県民活動サポートセンター11階講義室
国立研究開発法人 防災科学技術研修所職員を講師としてeコミマップのレベルアップ講座を開催した。

〇「大規模火災から街を守る・・横浜の地震火災対策及び糸魚川大規模火災視察報告」
・2017年(平成29年)3月6日(月) 午後6時30分~
 かながわ県民センター11階講義室
1.横浜市の地震火災対策について
 横浜市都市整備局防災まちづくり推進室防災まちづくり推進課担当係長 森 隆行氏2.糸魚川大規模火災視察報告
 NPO法人神奈川災害ボランティアネットワーク 理事長 河西英彦氏

〇3・11東日本大震災追悼キャンドルサービス
2017年(平成29年)3月11日夕方東日本大震災の犠牲者を追悼するためにかながわ県民センター玄関入口広場で追悼キャンドルサービスを行った

6.特定非営利活動に係る事業について

①地域の減災・防災の強化をめざす市民活動及びボランティア活動を行う団体・個人のネットワーク化の推進事業

・内容 県内社会福祉協議会ブロックにおける災害図上訓練
・日時 12月7日(水)・1月19日(木)・3月24日(金)
・場所 厚木市・三浦市・川崎市
・従事者人数 45人
・対象者 社協職員及び災害ボランティア 212人
・支出額 456,902円

②災害時の滑動及び情報伝達手段の整備と体制づくり事業

・内容 ビックレスキューかながわ神奈川県・横須賀市総合防災訓練
・日時 9月11日(日)
・場所 横須賀市・かながわ県民活動サポートセンター
・従事者人数 25人
・対象者 横須賀災害ボランティアネットワーク及び県ネット 20人
・支出額 10,000円

③災害時を想定したシミュレーション訓練、各種講座の開催による人材育成、広報啓発事業

・内容 コミュニティカレッジ 災害ボランティアコーデネーター養成講座
・日時 7月2日(土)~8月20日(土) 6日間
・場所 かながわ県民活動サポートセンター及び横浜市内
・従事者人数 25人
・対象者 受講者 17人
・支出額 449,644円

④減災・防災に取り組む市民の相互理解のための交流の場づくり事業

・内容 防災ギャザリング
・日時 5月14日(土)
・場所 神奈川区横浜市市民防災センター
・従事者人数 50人
・対象者 小中学生及び市民 300人
・支出額 50,000円

⑤防災に強い地域社会づくりの研究と情報提供事業

・内容 広報紙発行(第1号、第2号)、ホームページ作成
・日時 通年
・場所 かながわ県民活動サポートセンター
・従事者人数 20人
・対象者 各1,200部印刷・配布
・支出額 71,468円

⑥その他この法人の目的を達成するために必要な事業

・内容 高校生防災研修
・日時 10月25日(土)
・場所 平塚市
・従事者人数 20人
・対象者 神奈川県内高校生 10人
・支出額 178,240円

2019年1月17日更新