2017年度(平成29年度)事業計画

2017年度(平成29年度)事業計画

1.私たちを取り巻く環境と課題について

1995年1月17日の阪神淡路大震災における災害ボランティアの活動はボランティア元年と言われるほどそれからの日本のボランティア活動に大きいインパクトを与えました。それ以後全国の災害被災地に災害ボランティアが駆けつけ被災地支援活動を展開することは当たり前の状況となりました。そしてそれ以来神奈川でも数多くの地域に災害ボランティアネットワークが結成され地域の防災減災活動に取り組み始めました。

2011年3月11日の東日本大震災の発生は日本の防災計画に大きな影響を与えた。神奈川県でも「神奈川県地域防災計画」の見直しが行われ、私たちが提案してきた災害ボランティアの取り組みの強化が計画の中に明確に位置づけられた。

そして、その後2011年7月新潟福島豪雨、同8月台風12号風水害(紀伊半島豪雨)、2012年7月九州北部豪雨、2013年10月台風26号伊豆大島土石流、2014年8月豪雨(広島)、同9月御嶽山噴火災害、2015年6月箱根山大涌山噴火、同9月鬼怒川堤防決壊、2016年4月熊本地震と毎年のように全国各地で災害が発生してきている。

熊本地震は東日本大震災で行われた地域防災計画の見直しにも影響してきた。

そのような中で私たちは近県の被災地への支援活動を展開してきた。

このような災害ボランティアの取り組みの中で東日本震災より続いてきた全国的な災害ボランティアのネットワークの結成に向けた機運が熊本地震の体験をとおして「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」として方向性が出ようとしている。

一方 神奈川県では首都直下型地震の切迫性を受けて2017年3月に「神奈川県地域防災計画(地震災害対策計画)」の改訂が行われ、その中で災害ボランティアの活動の重要性と共に小中学校及び高校における防災教育の必要性が提起されている。

このような状況を受けて神奈川県の災害ボランティアネットワークの要としてあるNPO法人神奈川災害ボランティアネットワークの組織強化と運動の全県的な展開が求められている。

2.私たちの基本的な方向について

①当法人の目的は定款にあるように、平時においては神奈川における災害時に救援活動をするボランティアに対して、県内の地域ボランティアとそのネットワークを介して連携を図り、互いに助け合う市民社会の形成を目指す事業を行うことにより、災害時において、効果的な活動が出来る体制をつくり、また全国各地の災害に遭遇した被災地の救援活動を行うことで、安心で安全な社会の構築に寄与することを目的としている。そして具体的にはこの法人は次の特定非営利活動に係る事業を行うことになっている。
(1)地域の減災・防災の強化をめざす市民活動及びボランティア活動を行う団体・個人のネットワーク化の推進
(2)災害時の活動及び情報伝達手段の整備と体制づくり
(3)災害時を想定したシミュレーション訓練、各種講座の開催による人材育成、広報啓発
(4)減災・防災に取り組む市民の相互理解のための交流の場づくり
(5)災害に強い地域社会づくりの研究と情報提供
(6)災害被災地への支援活動
(7)その他この法人の目的を達成するために必要な事業

②2016年度(平成28年度)において、定款第5条(事業)の7項目に沿って各課題別委員会を設立しそれぞれ連携して事業を担っていき全役員が自主運営を基本とした委員会方式に取り組み一定の成果をあげることが出来た。
2016年度(平成28年度)において各事業を行うに当たって各課題別委員会が事前に複数回開催され役員の参加が増え多数の事業の取り組みが増えたことを評価したい。
これを2017年度(平成29年度)において更に定着・発展させ各委員会における責任ある対応と成果が出るようにしていく必要がある。

③その一方で、災害救援・受援活動を目的とする地域ネット・市域県域ネット・市民ボランティア団体及び個人等に幅広く参加者と賛同者を募り当法人の目的達成のための人材の募集と育成を積極的に推進し一定のレベルの知識と技能を習得した災害ボランティアの活動家を早急に増やしてく必要がある。

④そして全国的な災害の多発化と広がりに対処し、情報収集とネットワークを形成するため全国ネット団体「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」等との連携を行う必要がある

⑤神奈川県災害対策(危機管理担当)に連動した防災に対する理解を深め、受援力強化を図るため、防災担当の各行政・企業・団体等幅広い連携を図っていくように努めていく必要がある。

⑥各事業を確実に遂行し目的達成のため事務局の強化を図る必要がある。各事業は理事・運営委員及び全会員が自主的に参加し自主運営を基本とした委員会方式によって進め、各委員会において責任ある対処をしていくものとする。なお各委員会に項目がない事項は研修会、研究会、講演会等の企画・開催として事務局が提案していくものとする。

⑦各運営委員や理事等が参加し交流する機会を増やすため拡大運営委員会を定期的に開催し、顔の見える関係と情報の共有を図っていくものとする。

3.各委員会からの2017年度(平成29年度)活動の提案について

①広報委員会

・発行頻度 年2回と臨時号
 発行月 2017年(平成29年)8月 第3号 総会特集号
     2018年(平成30年)3月 第4号 年度の総集編
     臨時号 2017年(平成29年)12月頃予定 事業中間報告
・発行部数 1200部
・体裁 A3版 両面 2つ折り

②講座委員会

・コミュニティカレッジ
 初級編 6月17日~7月1日 横浜  全3回 参加費 6,000円
     7月22日~8月5日 小田原 全3回 参加費 6,000円
 中級編 10月14日~11月11日 横浜 全4回
・テキストの作成に取り組む
・講師陣とスタッフの養成に取り組む
・資格制度の導入の検討する

③図上訓練委員会

・3政令都市とその他3ブロックでの開催を目指す
・各地域の社会福祉協議会を中心として開催してきたが各自治体の防災担当と地域災害ボランティアネットワークを巻き込んで開催していく
・内容として各行政や社協のBCPを考えていくこと、各地域の地域防災計画との内容に沿うようにしていくことに努めていく

④防災教育委員会

・対象を小中学生及び高校生に広げ将来を担う人々のための防災教育としていく
・自助・共助・公助と減災行動の知識の習得を目指す
・参加者の年齢などは制限しない

⑤支援室委員会

・緊急連絡網を確定しそれを使用した訓練を行う
・4者協の団体の訓練を各地域ネットワークの訓練に合わせて行う
・KSVNとして独自の緊急時の対応訓練を行う
・各設備(パソコン、プリンター、Wi-Hiなど)の再構築を図る

⑥避難者支援委員会

・神奈川県が主催している「かながわ避難者支援会議」に出席する
・神奈川県内の支援団体等との連携を図っていく

⑦事務局委員会

・増大する事務局の活動を担える人材を獲得していく
・KSVNの活動を地域の災害ボランティアネットワークと連携して展開できるように計画性をもって展開していく
・事務局活動に必要な財源の確保に努めていく
・サポートセンター11階の支援室及び101会議室の整理と活用に取り組んでいく
・神奈川県安全防災局、横浜市危機管理室、川崎市危機管理室、相模原市危機管理局などとの連携を目指していく

4.特定非営利活動に係る事業について

①地域の減災・防災の強化をめざす市民活動及びボランティア活動を行う

団体・個人のネットワーク化の推進事業・内容 県内社会福祉協議会ブロックにおける災害図上訓練
・日時 未定
・場所 未定
・従事者人数 未定
・対象者 社協職員及び災害ボランティア 未定
・支出額 456,902円

②災害時の滑動及び情報伝達手段の整備と体制づくり事業

・内容 ビックレスキュー平成29年第38回九都県市合同防災訓練
・日時 9月1日(金)
・場所 小田原市酒匂川河川敷
・従事者人数 未定
・対象者 県内ボランティアネットワーク 未定
・支出額 未定

③災害時を想定したシミュレーション訓練、各種講座の開催による人材育成、広報啓発事業

・内容 コミュニティカレッジ 災害ボランティアコーデネーター養成講座
・日時 初級 6月17日(土)~7月1日(土)3日間 横浜会場
    初級 7月22日(土)~8月5日(土)3日間 小田原会場
    中級 10月14日(土)~11月11日 4日間 横浜会場
・場所 かながわ県民活動サポートセンター及び小田原市その他
・従事者人数 未定
・対象者 未定
・支出額 500,000円

④減災・防災に取り組む市民の相互理解のための交流の場づくり事業

・内容 防災ギャザリング
・日時 5月13日(土)
・場所 神奈川区横浜市市民防災センター
・従事者人数 50人予定
・対象者 小中学生及び市民 300人予定
・支出額 50,000円

⑤防災に強い地域社会づくりの研究と情報提供事業

・内容 広報紙発行(第3号、第4号)、ホームページ作成
・日時 通年
・場所 かながわ県民活動サポートセンター
・従事者人数 20人
・対象者 各1,200部印刷・配布
・支出額 100,000円

⑥その他この法人の目的を達成するために必要な事業

・内容 防災教育
・日時 未定
・場所 未定
・従事者人数 未定
・対象者 神奈川県内小中高校生 未定
・支出額 100,000円

5.9月1日(金)平成29年第38回九都県市合同防災訓練について

・9月1日(金)に神奈川県が幹事都県市となって小田原市酒匂川河川敷において平成29年第38回九都県市合同防災訓練が行われる
・神奈川災害ボランティアネットワークとしてこの訓練に県内の地域災害ボランティアネットワークや各種団体と共に実行委員会を設置し参加型の防災訓練として積極的に参加していくものとする

6.地域災害ボランティアネットワーク及び各種団体との連携について

・2016年度(平成28年度)において県内各地域の災害ボランティアネットワークとの連携が十分でなかったことを反省し、適切な全県的なテーマで地域と共同でそのテーマについて学び交流する機会を作っていくものとする
・テーマとして外国人(国際)、障がい者、津波、洪水、受援力、防災訓練などを想定し、その担当団体等と日程等については総会の後で具体的に検討していくものとする
・各種団体との活動の交流と地域での防災能力の向上を目的に横浜市民防災センターを会場とした子供向けの防災減災のイベントの開催を検討していくものとする

7.委員会の再編と再募集について

・各委員会は総会の後に参加する理事及び運営委員の再募集を行い速やかに活動に入っていくこととする
・高校生委員会は対象を小中学生及び高校生に広げ「防災教育」の在り方及び進め方について検討を行い具体的なイベントで発表及び訓練を行うものに再編していく
・必要に応じて新しい委員会の設置については理事会で論議し方向を出すものとする

8.理事会及び委員会等の日程について

2017年度’(平成29年度)理事会・運営委員会開催予定表

番号 開催予定月日 曜日 理事会・総会・運営委員会
4月11日  火 第1回理事会
4月25日  火 第1回拡大運営委員会
5月 8日  月 第2回拡大運営委員会
5月16日  火 第2回理事会
6月 6日  火 2017年度(平成29年度)総会
7月25日  火 第3回理事会
8月29日  火 第1回運営委員会
9月26日  火 第3回拡大運営委員会
10月24日  火 第2回運営委員会
10 11月28日  火 第3回運営委員会
11 12月26日  火 第4回拡大運営委員会
12 1月23日  火 第4回理事会
13 2月27日  火 第4回運営委員会
14 3月27日  火 第5回拡大運営委員会
15 4月24日  火 2018年度第1回理事会
16 5月 8日  火 第1回拡大運営委員会
17 5月29日  火 第2回理事会
18 6月12日  火 2017年度総会
  • 理事会及び運営委員会は原則として第4火曜日、午後6時30分開始とする。なお必要に応じて追加する場合があります。
  • 理事会は理事で構成し定款に基づき会の重要事項を審議し決定する。
  • 2017年度(平成29年度)運営委員会等の設置について 

・運営委員会、拡大運営委員会を設置する。
・運営委員会 各委員会から委員長及び書記等が参加して連絡と調整を図る。

拡大運営委員会 運営委員全員が出席することが出来る会議として年3回以上開催する。

4.委員長会議は廃止する。

5.課題別委員会の運営については別に定めるものとする

9.その他

①神奈川における災害ボランティアネットワークの在り方と組織体制についての検討について

・この問題について理事会や運営委員会などで継続して論議していくこととする

②役員改選の取り組みについて

・2018年度(平成30年度)が役員改選の年になることからそのための準備に取り組むものとする

2019年1月17日更新