2020年度事業計画
1.私たちを取り巻く環境と課題について
1995年1月17日、阪神淡路大震災の発生後、神奈川災害ボランティアネットワークが発足した。災害ボランティア元年と言われている。
2011年3月11日東日本大震災、地震に伴う大津波に見舞われ、未曽有の大災害となった。神奈川県との連携の中で法人化がすすめられた。NPO法人神奈川ボランティアネットワークが誕生。大災害に対処するごとに多くの課題に直面し、解決に一丸となって対応してきた。
取り巻く環境も、熊本地震から広域連携が叫ばれ、内閣府の肝いりで全国災害ボランティアのネットワークJVOADが発足した。広域災害時に脆弱な災害対策地域では、なす 術がなく全国的なネットワークでの支援を必要とした。
平時からの連携の必要性が強調されてきた。特に災害関連以外の諸団体との連携も提案されている。
県内の災害関連団体の集結も先導すべき時に来ている、柔軟に受け入れ成果を急ぐことが必要。
台風15号・19号により関東一円、強風被害や大雨・洪水による水害が発生した。
県内で始めての災害ボランティアセンターが川崎市・相模原市で開設された。
支援活動の中で多くの課題を現場から提案され、マニュアルの検討を迫られている。
新型コロナウイルスによる世界的感染防止活動は、さながら見えない敵との戦いである。全国民に外出自粛・営業の閉鎖等大きな負担が強いられている。終息が見えない中「コロナ時代の生活様式」が求められ「テレワーク・Web会議」をはじめとする小学生までICTなくして生活できない時代に突入している。今後加速することは火を見るより明らかだ。
インターネット委員会を中心に本格的に研修を積み、賢く発信することで連携を構築していく必要がある。
2.私たちの基本的な方向について
①当法人の目的は定款に定め、平時においては神奈川における災害時に救援活動を行うボランティアに対して、県内の地域ボランティアとそのネットワークを介して連携を図り、互いに助け合う市民社会の形成を目指す事業を行うことにより、災害時に効果的な活動が出来る体制をつくる。また全国各地の災害に対し、被災地の救援活動を行うことで、安心で安全な社会の構築に寄与することを目的とする。
そして具体的にはこの法人は次の特定非営利活動に係る事業を行うことになっている。
- 地域の減災・防災の強化をめざす市民活動及びボランティア活動を行う団体・個人のネットワーク化の推進
- 災害時の活動及び情報伝達手段の整備と体制づくり
- 災害時を想定したシミュレーション訓練、各種講座の開催による人材育成、広報、啓発
- 減災・防災に取り組む市民の相互理解のための交流の場づくり
- 災害に強い地域社会づくりの研究と情報提供
- 災害被災地への支援活動
- その他この法人の目的を達成するために必要な事業
②2019年度は台風15号及び19号被災地支援ボランティアバス派遣事業に集中して取り組み大きな成果を上げることが出来きた。
特に川崎市と相模原市において災害ボランティアセンターが神奈川県としては初めて設立されその支援活動に取り組んだ。
また、定款第5条(事業)の7項目に沿って各課題別委員会を設立し、それぞれ連携して事業を担い全役員が自主運営を基本とした委員会方式に取り組み一定の成果をあげることを目指した。
2020年度においても引き続き委員会方式を採用し強化していきます。
また内閣府より「災害ボランティアやNPO等との連携・地区防災計画推進」のための事業展開が求められている。
③その一方で、災害救援・受援活動を目的とする地域ネット・市域県域ネット・市民ボランティア団体及び個人等に幅広く参加者と賛同者を募り当法人の目的達成のための人材の募集と育成を積極的に推進し一定のレベルの知識と技能を習得した災害ボランティアの活動家を早急に増やしてく必要がある。
急速に拡大している私たちの各方面での活動を支えるための人材の育成は緊急な課題になってきている。
④そして全国的な災害の多発化と広がりに対処し、情報収集とネットワークを形成するため全国ネット団体「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」等との連携を追求していく必要がある。
⑤また神奈川大学荏本孝久教授が代表の「かながわ人と智をつなぐ防災・減災ネットワーク」に積極的に参加し大学との連携に努めていき学生等の参加を目指す。
⑥神奈川県災害対策(危機管理担当)に連動した防災に対する理解を深め、受援力強化を図るため、防災担当の各行政・企業・団体等幅広い連携を図っていくように努めていく必要がある。
⑦各事業を確実に遂行し目的達成のため事務局の強化を図る必要がある。スタッフの確保とそのための財政的な保証を行い、事務局活動を確立していくことを目指していくものとする。
各事業は理事・運営委員及び全会員が自主的に参加し自主運営を基本とした委員会方式によって進め、各委員会において責任ある対処をしていくものとする。なお各委員会に項目がない事項は研修会、研究会、講演会等の企画・開催として事務局が提案していくものとする。
⑧各運営委員や理事等が参加し交流する機会を増やすため運営委員会を定期的に開催し、顔の見える関係と情報の共有を図っていくものする。
⑨以上の活動を支え活発化させるためにデジタル技術の習得と拡大を目指すものとする。そしてそれらの人材を各地域災害ボランティアネットワークにも広め神奈川県内の災害ボランティア活動の有機的なネットワーク形成を作り出していくものとする。
⑩新型コロナウイルスの拡大により「三密」状況による被害の拡大を防止するために災害時の避難所の在り方について再検討する必要性が出てきた。そしてこれを契機として避難所そのものについてその設営、運営、必要な資材などについて根本から考え直すことになると思われる。その研究に積極的に取り組むものとする。
3.当面する課題について
①支援センターを核とするデジタル化による情報連絡網の確立と人材育成及び認定制 度の検討、地域災害ボランティアネットワークへの拡大を目指す。
そしてその人材を核として地域災害ボランティアネットワークとの情報網確立と活動の連携を確立していくものとする。
②内閣府 三者連携研修会への取り組みについて
- 仮称・かながわ災害ボランティア広域連携実行委員会の設置
- 県内の防災減災関係団体及び個人等に幅広く参加を呼びかけ、交流の場を作り出していくものとする。
- 神奈川県及び横浜市、川崎市、相模原市の政令指定都市の参加も工夫して呼びかけていくものとする。
- 全県的な取り組みを計画的及び積極的に事業展開していくものとする。
③ビッグレスキュー神奈川葉山を始めとする県内の防災訓練への情報収集と連絡網をつくる。
④事務局を確立し11階支援室の運用及びKSVネット内の連絡網の確立を目指す。
⑤新型コロナウイルスへの対策について取り組むものとする。
⑥新しい理事を核として広く運営委員を募集し委員会活動を計画的に活発に展開していくものとする。
4.各委員会からの2019年度活動の提案について
各委員会の活動の方針と内容は2020年度総会で新しく選出された理事を核として新しい運営委員を広く募集し、委員会の人材を確保すると共に早急に委員会を開催しその中で改め2020年度の活動計画を検討し着実に実行していくことを目指すものとする。
以下 各委員会の活動計画は骨格のみなので早急に委員会を開催し内容を検討するものとする。
① 広報委員会
○2020年の活動計画
・会報の発行 年2回発行予定
各委員会の活動、会員紹介等
・紹介パンフレットのサイズ変更を検討
コスト面を考え企画サイズを検討する
・ハンドブックの増刷
② 支援室委員会
○2020年の活動計画
2020年支援室委員会活動計画(案)
- 支援室勉強会(DITS)(Webフォーム)の取り扱い講座形式としカリキュラム作成(会員・一般)から募集しスタッフ養成を図る
- 勉強会を通し支援室独自情報訓練を通し、葉山ビグレスキュ―に繋げる
- 葉山ビッグレスキューには、インストラクターとして(スタッフ)を派遣し対応する。
- 2020年ビッグレスキュー葉山に合わせての独自情報訓練を実施、合わせて無線情報訓練も実施する。
- 2020年九都県市防災訓練に参加予定(開催地:県内の場合)
- 神奈川県津波訓練に(DITS)による情報訓練を実施。
- 4者協定による、支援室情報訓練事前打合せを含め参加する、(DITS・Webフォーム)対応。
③ 講座委員会
○2020年の活動計画
- コミュニティカレッジを開催に協力する。
- 初級、中級の災害ボランティアコーデイネーター養成講座を検討する。
④ 防災教育委員会
○2020年の活動計画
- 日本ボーイスカウト神奈川連盟と協力してイオンを会場とする子ども防災キャラバンに取り組む。
- 横浜市民防災センターの施設を活用した様々な防災減災イベントや訓練を検討し実行に向けて関係者等との協議を開始する。
- 福祉防災など災害に係わる様々な問題についてそれぞれの専門家及び当事者を講師として招いて連続した勉強会を開催する。
⑤ 図上訓練委員会
〇2020年の活動計画
- 地域の災害ボランティアネットワークと共催して災害時の情報連絡網を確立するための人材育成とそのネットワーク化を目指して人材養成講座を開催していく。
- 支援センターの立ち上げ訓練と連動して情報連絡訓練を積み上げ地域での図上訓練として展開していく。
⑥ 避難者支援委員会
〇2020年度の活動計画
従来通り、神奈川避難者と共にあゆむ会及び県内避難者支援方々とのバックアップを含め、後方支援を実施していく。
⑦ インターネット委員会
〇2020年度の活動計画
⑧ 事務局委員会
〇2020年度の活動計画
5.勉強会、講演会及び報告会等の開催
委員会活動と連携して計画を検討する。
6.特定非営利活動に係る事業について
① 地域の減災・防災の強化をめざす市民活動及びボランティア活動を行う団体・個人のネットワーク化の推進事業
- 内容 県内社会福祉協議会ブロックにおける災害図上訓練
- 日時 未定
- 場所 未定
- 従事者人数 未定
- 対象者 社協職員及び災害ボランティア 未定
- 支出額 未定
② 災害時の活動及び情報伝達手段の整備と体制づくり事業
- 内容 ビックレスキューかながわ・伊勢原
- 日時 8月31日(土)
- 場所 伊勢原総合運動公園
- 従事者人数 未定
- 対象者 県内ボランティアネットワーク 未定
- 支出額 未定
③ 災害時を想定したシミュレーション訓練、各種講座の開催による人材育成、広報啓発事業
- 内容 コミュニティカレッジ 講座
- 日時 別紙参照
- 場所 かながわ県民活動サポートセンター及び川崎市その他
- 従事者人数 未定
- 対象者 未定
- 支出額 未定
④ 減災・防災に取り組む市民の相互理解のための交流の場づくり事業
・内容 防災ギャザリング
防災ギャザリングへの取り組みのあり方については担当理事を配置して関係者及び団体と協議を行うものとする
・日時 未定
・場所 神奈川区横浜市市民防災センター及び沢渡公園
・従事者人数 未定
・対象者 小中学生及び市民
・支出額 未定
⑤ 防災に強い地域社会づくりの研究と情報提供事業
・内容 広報紙発行、ホームページ作成
フェィスブック、ツィッター、ラインの活用及びホームページの編集等についてその運用について検討する
・日時 通年
・場所 かながわ県民活動サポートセンター
・従事者人数 20人
・対象者
・支出額 未定
⑥ その他この法人の目的を達成するために必要な事業
- 内容 防災教育、かながわ・よこはま親子防災減災教室
- 日時 未定
- 場所 未定
- 従事者人数 未定
- 対象者 神奈川県内小中高校生 未定
- 支出額 未定
7.地域災害ボランティアネットワーク及び各種団体との連携について
- 2019年度において県内各地域の災害ボランティアネットワークとの連携が十分でなかったことを反省し、適切な全県的なテーマで地域と共同でそのテーマについて学び交流する機会を作っていくものとする
- 県内を6ブロックに分けそのブロック単位での図上訓練、支援センター立ち上げ訓練を行い地域に密着した研修会及び人材育成に取り組む
- テーマとして外国人(国際)、障がい者、津波、洪水、受援力、防災訓練などを想定し、その担当団体等と日程等については総会の後で具体的に検討していくものとする
- 各種団体との活動の交流と地域での防災能力の向上を目的にかながわ防災センター及び横浜市民防災センターを会場とした子供向けの防災減災のイベントの開催を検討していくものとする
8.委員会の再編と再募集について
- 各委員会は総会の後に新しい理事を核として広く運営委員の再募集を行い速やかに活動に入っていくこととする
- 必要に応じて新しい委員会の設置については理事会で論議し方向を出すものとする
- 広く運営委員を募集し再登録を行う
9.理事会及び委員会等の日程について
2020年度理事会・運営委員会開催予定表
番号 | 開催予定年月日 | 曜日 | 理事会・総会・運営委員会 |
1 | 2020年5月19日 | 火 | 第1回理事会 |
2 | 6月 9日 | 火 | 2020年度(令和2年度)総会 |
3 | 6月12日 | 金 | 第2回理事会 |
4 | 6月15日 | 月 | 第3回理事会 |
5 | 7月21日 | 火 | 第1回運営委員会 |
6 | 8月25日 | 火 | 第2回運営委員会 |
7 | 9月22日 | 火 | 第4回理事会 |
8 | 10月20日 | 火 | 第3回運営委員会 |
9 | 11月24日 | 火 | 第4回運営委員会 |
10 | 12月22日 | 火 | 第5回理事会 |
11 | 2021年1月26日 | 火 | 第5回運営委員会 |
12 | 2月23日 | 火 | 第6回運営委員会 |
13 | 3月23日 | 火 | 第7回運営委員会 |
14 | 4月20日 | 火 | 2021年度第1回理事会 |
15 | 5月11日 | 火 | 第1回運営委員会 |
16 | 5月25日 | 火 | 第2回理事会 |
17 | 6月15日 | 火 | 2021年度総会 |
- 理事会及び運営委員会は原則として第4火曜日、午後6時30分開始とする。なお必要に応じて理事会及び運営委員会を臨時で開催する場合があります。
- 理事会は理事で構成し定款に基づき会の重要事項を審議し決定する。
- 2020年度運営委員会等の設置について
- 運営委員会 運営委員全員が出席することが出来る会議とし事業の連絡と調整を図る。
- 課題別委員会の運営については別に定めるものとする。
- 三役会議は必要に応じて随時開催するものとする。
10.その他
①神奈川における災害ボランティアネットワークの在り方と組織体制についての検討について
・三役会議、理事会、運営委員会の機能と権限を検討し、事務局、各委員会、各ブロックの地域団体及び各種団体との効率的な連携及び新しい人材の参加と活用について検討していく
②他地域の被災地支援の速やかな対応を図るため、その決定の手順方法を検討する
③優秀で活動的な人材を早急に大量に確保するために防災減災の講座を受講し地域等で活動している人や災害被災地支援活動を経験した人、インターネット等の技術に詳しい人等の活動の場を提供することに努めていくものとする。
2020年6月27日更新