2020年度活動報告
1.コロナ禍に対応した運営(オンライン活用)
2020 年度の開幕は新型コロナとの戦いでした。目に見えない、得体の知れない災害(敵)との戦いは戸惑いの連続で、何よりも活動拠点である神奈川県民活動サポートセンターの全面閉鎖は会運営の情報共有の場、対面会議の非常時の危うさを痛感させられた。
2019 年の台風19号被災地、宮城県丸森町の支援活動計画が終了、関連事業バス20台の派遣を成しえて、次の支援予定地、長野県千曲川の氾濫被災地への先遣視察で長野県社協との打ち合わせに赴いたときは、すでに県外の集団でのボランティア受け入れの見合せが決定されたところだった。全てコロナ蔓延防止の対応策として取られた措置で、被災地の戸惑いが推察された。
直接会合ができない中、オンラインの必要性を実感し、インターネット委員会に意見を求めたところ、入門難度から Zoom が緊急に適しているとのアドバイスがあり、Zoom を利用することにした。5月より理事長の私的なアカウントで開催訓練を重ねた後、法人でアカウントを取得しホストを事務局に移行。横浜市の市民活動緊急支援助成金により、Zoom 会議研修会を重ね、運営委員会・理事会はもとより多くの研修会を開催することができた。また、内閣府主催等外部機関のWeb 研修会にも数多く参加することができた。
外部講師のオンラインセミナーも3回開催され、多くの会員が参加し研鑽を積んだ。
コロナ禍という強いられた状況だからこそ、多くの会員がオンライン活用・ICT化の第1歩を踏みだすことができ、新たな活動を展開することができた。
2.東日本大震災10年を迎えて
2011 年3月 11 日東日本大震災発災。未曽有の大災害が発生してから10年を迎えた。この大災害を振り返り、検証し、後世に教訓として伝える責務が支援に携わった我々に課せられている。
例年3月 11 日に開催しているキャンドルナイトは、コロナの影響で本年度は中止となったが、各委員会の自主的提案による開催方式で事業を行い、それぞれの立場で一つ一つ体験を呼び起こし、多くの伝えるべき教訓を蘇らせる機会とした。
委員会の自主的提案による開催方式とした東日本大震災10年の活動
① 広報委員会 KSV ネット加入団体の紹介誌の作成
② 被災地支援委員会(ボラバスチーム共催)やまもと語りべの会 井上先生の講演
③ 事務局(神奈川県生活協同組合連合会協力)長野県の生協・社協との交流フォーラム
④ 3.11追悼のつどい オンラインで追悼集会開催
*横浜災害ボランティアネットワーク会議「祈りの汽笛」への応援参加
3月 11 日横浜港に停泊の5隻の協力で汽笛とともに祈りをささげた。
3.今後の課題
コロナ禍により対面での委員会活動がままならぬ中、各委員会が工夫を凝らし活動を継続できたことは、多様化する災害時の対応能力にも大きく寄与するものとなったが課題も見えてきた。
内部関係
① オンライン化の拡充 全ての会員間での情報共有の手段とする
② 情報共有手段を含め会議案内・報告等ペーパレスの拡充
③ 被災地支援・災害受援活動に必要な業務の IT 化の推進
④ 事業計画・報告・会計処理の統一化・透明化を図る
⑤ 委員会活動の活性化への支援体制
⑥ 発足当初からの会の歴史を振り返り温故知新、アーカイブを作成し後進に伝える
2021 年、法人化10周年記念活動の一環として編集をすすめる
外部連携関係
① 4者連携の意義と役割の再確認(KSVN の役割と備え)
② 広域連携の本来の目的達成のためのアプローチ
③ 災害支援・受援体制のマニュアル化の推進
④ 県内、未加入地域団体等の加入促進
4.総会、理事会、運営委員会、三役会議の開催
番号 | 開催年月日 | 曜日 | 理事会・運営委員会・総会 |
1 | 2020 年 5 月 23 日 | 土 | 第1回理事会 ※1 |
2 | 6 月 9 日 | 火 | 2020 年度第 10 回度総会 ※1 |
3 | 6 月 13 日 | 土 | 第 2 回理事会 ※1 |
4 | 6 月 17 日 | 水 | 第 3 回理事会 ※1 |
5 | 7 月 21 日 | 火 | 臨時理事会 ※2 |
6 | 8 月 25 日 | 火 | 第 1 回運営委員会 ※2 |
7 | 9 月 22 日 | 火 | 第 4 回理事会 ※2 |
8 | 10 月 20 日 | 火 | 第 2 回運営委員会 ※2 |
9 | 11 月 24 日 | 火 | 第 3 回運営委員会 ※2 |
10 | 12 月 22 日 | 火 | 第 5 回理事会 ※2 |
11 | 2021 年 1 月 26 日 | 火 | 第 4 回運営委員会 ※3 |
12 | 2 月 23 日 | 火 | 第 5 回運営委員会 ※3 |
13 | 3 月 23 日 | 火 | 第 6 回運営委員会 ※3 |
14 | 5 月 3 日 | 月 | 2021 第 1 回運営委員会 ※2 |
15 | 5 月 11 日 | 火 | 2021 第1回理事会 ※2 |
16 | 5 月 25 日 | 火 | 2021 第 2 回理事会 ※2 |
毎月2回から3回 | 適時 | 三役会議 |
※1 書面・電磁決済
※2 会場・オンライン併用開催
※3 オンライン開催
5. 横浜市市民公益活動緊急支援助成金事業 (別紙1参照)
新型コロナウイルス感染拡大による会議室の利用制限や移動制限がある中でも、Zoom を使用したオンライン会議で組織運営ができるように、かながわ災害情報連絡会の協力で Zoom 活用講座を実施。また、Zoom を用いてセミナーを開催し、災害ボランティアに関心のある市民に広く参加を呼びかけた。
(1)Zoom 体験基本編(2日間同内容)
12 月6日(日) 参加者:14 名
12 月8日(火) 参加者:12 名
講師:江尻哲二氏(かながわ災害情報連絡会)
内容:Zoom の基本操作等
(2)Zoom 体験ホスト編(2日間同内容)
12 月 13 日(日) 参加者:17 名
12 月 15 日(火) 参加者:12 名
講師:吉田見岳氏(かながわ災害情報連絡会)
内容:ホストの機能・ミーティングのスケジュール等
(3)Zoom セミナー「大川小学校の教訓を未来の防災・減災に生かす」
12 月 14 日(月) 参加者:26 名
講師:鷲山龍太郎氏(防災塾だるま副塾長)
内容:学区を単位とした「地区(学区)防災計画」の可能性と地区の事業所、医療等が地区
防災計画の中で連携していく「総合的学区連携防災構想」について
(4)Zoom セミナー「新型コロナウイルス感染対策と避難所運営」
12 月 18 日(金) 参加者:29 名
講師:的場氏(神奈川県くらし防災局防災部災害対策課)
内容:新型コロナウイルス感染予防を考慮した避難所運営の基本
(5)Zoom セミナー「web フォームを使った情報訓練」
12 月 19 日(土) 参加者:14 名
講師:吉田見岳氏(かながわ災害情報連絡会)
内容:Web フォームによる情報伝達訓練の理解と体験実習
6.東日本大震災10年関連事業
(1)東日本大震災10年追悼のつどい(Zoom) *別紙2参照
3月 11 日(木) 参加者:13 名
発災時は自分たちの命を守ることを最優先にすることを確認した。また、各地域で追悼の
催しが行われたが風化、市民の関心が薄れているということが紹介された。今後、どう伝
え教訓としていくか考える必要がある。
(2) オンライン講演会「震災を乗り越えて~あなたならどうする~」
3月 27 日(土) 参加者:57 名
講師:井上 剛氏(やまもと語りべの会・宮城県山元町立中浜小学校元校長)
7.各委員会からの活動報告と課題
(1)防災講座・図上訓練委員会 委員長:植山
①コミュニティカレッジ「災害ボランティアコーディネーター養成講座」の開催
日 時 | 講 義 内 容 | 講 師 |
3 月 13 日(土) 13:30~16:25 | ・講義「神奈川県地域防災計画から学ぶ ~地域防災活動におけるボランティアの役割~」 ・講義「発災後の被災者ニーズの変化とボランテ ィアセンターの役割と連携」 | 東京経済大学名誉教授 /神奈川県地震被害想 定調査委員会委員長 吉井博明氏 JVOAD 明城徹也氏 |
3 月 21 日(日) 13:30~16:25 | ・講義「過去の災害における避難所開設・ 運営の 現状と課題 ・講義「地域減災活動・災害対応活動の事例に学ぶ ~今後のフォローアップ体制について~」 ・グループワーク | 横浜市立大学 石川永子氏 KSV ネット 河西英彦理事長 |
・例年7月~8月頃に実施しているが、コロナ禍のため日程がずれ込み、コマ数も減らして、
2021 年 2 月 13 日(土)・2 月 21 日(日) 開催で募集。募集人数 30 名のところ 48 名の応募
があったが、緊急事態宣言のため 1 か月延期し、応募者にオンラインでの実施を提案し、
23 名が応募。
参加者は、個人は横浜市が多く、団体は、平塚市、藤沢市、寒川市、などから参加。
②委員会
・サポートセンターが使用できず、委員の一部と相談のみ。委員会としての開催はなし。
(2)広域連携・被災地支援委員会 委員長:荒井 会計:舛田
①ボラバス運営のマニュアル作成
・被災地支援ボラバス派遣迄のマニュアルの敲きを作成。同マニュアルの完成と他のマニ
ュアル作成は次年度以降に持ち越し。
②オンライン研修会
・KSVN 加盟団体、防災教育委員会と合同で開催の計画が進んだがスケジュール調整等が付かず未開催。次年度以降に持ち越し。
③委員会
10 月 17 日(火)(Zoom)
・委員会の活動として、大まかに以下の内容を進めてゆくことを確認。
*災害ボランティアバスの準備(募集・受付・バス手配等)、研修会、移動・現地活動、リ
ーダー養成といった各段階でのマニュアル化を、その部分の経験者を中心に進める。
*活動における新型コロナ対策をマニュアル化。
*ボランティアバス参加者研修会の資料の更新、オンライン研修会への対応。
*災害ボランティアセンター支援のマニュアル化を進めるためのロードマップ作製。
*県内を主に、行政、他団体との連携を進めるためのロードマップ作製。
(3)防災支援室・防災訓練委員会 委員長:清水 会計:伊藤 ※別紙4参照
①ICT 学習会 12 月 19 日(土)(コラボ+オンライン研修)
訓練で使用する Web フォームに関する学習会を実施。
②支援室情報伝達訓練 3 月 10 日(水) ~ 3 月 16 日(火)
参加者:地域ネット(7)、団体(5)、市町村社協(4)、個人(3)、計 19。
第1報から第 3 報までを発信し必要情報を共有し、支援依頼、支援供給の情報を
収集、集計、マッチングし結果を参加者に回答。
訓練本部会議をオンラインで4回実施し、訓練状況を共有。
・コロナ禍の影響により、かながわ県民活動サポートセターの使用中止や事業活動の自粛、
中止を余儀なくされたことから、支援室訓練は県サポート課、県社協、県共募との協働訓
練ではなく KSVN 独自訓練として非対面訓練として支援室情報伝達訓練を実施した。
支援依頼情報、支援供給情報での Web フォームの活用状況は例年並みであったが、非対
面訓練であったため、訓練本部作業、訓練本部会議は全てオンラインで実施。このためオ
ンラ イン会議開催時間について、多くの参加者が出席できる時間設定の要望意見が出さ
れた。
また、今回は県サポ、県社協が平常業務多忙のため訓練への協力が少なく、次回訓練では
市町村社協の参加が多く得られるよう計画していく。
③委員会
10 月 24 日(土) 業務引継ぎ、 活動予定の確認、下期活動計画を策定
11 月 7 日(日) (Zoom):下期活動計画説明
11 月 21 日(土) (Zoom):ICT 学習会準備
2 月 14 日(日) (Zoom):訓練実施内容の説明
3 月 7 日(日) (Zoom):訓練内容の確認
(4)防災教育委員会 委員長:川辺 会計:山中
・学校の休校等、社会の局面が著しく変化し、児童、学生、大人に、情報提供ができなかった。
(5)インターネット委員会 委員長:沢田 会計:齋藤
①横浜市助成金事業「オンライン会議を活用した防災減災活動の普及事業」への協力
(2020 年 9月 26 日~12 月 25 日)
②メーリングリストの運用および維持管理 (通年)
③ウェブサイトの運用および維持管理(通年)
④Facebook ページの運用および維持管理(通年)
⑤委員会
9月 27 日(Zoom):横浜市助成金事業関連(購入品等の検討)
2月 15 日(Zoom):災害ボランティア活動のディジタル化について
(6)広報委員会 委員長:大田 会計:石田
①会報(KSV ネットワーク NEWS)の発行
第7号 8月 25 日発行 1000 部
編集委員会 コロナ禍で会場が使用できず、E メールで事業を進めた。
②KSV ネット紹介リーフレット改訂版発行 2000 部
2020 年7月発行
③ホームページの活用
KSV ネットワーク NEWS 第5号、6号、7号をホームページに掲載 9月
④東日本大震災 10 年企画会員紹介誌 ~つながろう 神奈川~発行 100 部
2021 年3月発行
(7)組織強化委員会 委員長:髙坂 会計:塩沢
①委員会
10 月 31 日(Zoom)
2019 年台風 19 号における相模原災害ボランティアネットワークの取り組みと問題点およ
び現状について報告 等
(8)避難者支援委員会 委員長:清水 会計:伊藤
2020 年度は、コロナ禍の影響により、かながわ県民活動サポートセターの使用中止や事業
活動の自粛、中止を余儀なくされたことから、避難者支援委員会の活動は自粛した。
(9)事務局 局長:髙坂 法人会計:石田 事務局会計:高橋
①法人運営事務の遂行。
②インターネット委員会とともにオンライン会議開催のための環境設定(機材購入・講習会
開催)を行った。
③理事会及び運営委員会等の Zoom のスケジュール、準備、ホスト業務、議事録等の作成に取
り組んだ。
④東日本大震災 10 年関連事業の企画取りまとめをおこなった
2020 年度特定非営利活動法人神奈川災害ボランティアネットワーク活動日誌一覧
開催日 | 会議名 | 参加者 | オンライン 参加 |
9 月 27 日 | インターネット委員会 | 6 名 | |
10 月 17 日 | 広域連携・被災地支援委員会 | 8 名 | |
10 月 20日 | 第 2 回運営委員会 | 14 名 | 9 名 |
10 月 30 日 | インターネット委員会・事務局 合同会議 | 6 名 | |
10 月 31 日 | 組織強化委員会 | 9 名 | |
11 月 7 日 | 支援室・防災訓練委員会 | 10 名 | |
11 月 21 日 | 支援室・防災訓練委員会 | 8 名 | |
11 月 24 日 | 第 3 回運営委員会 | 16 名 | 12 名 |
12 月 1 日 | Zoom セミナー打ち合わせ | 3 名 | 8 名 |
12 月 4 日 | Zoom セミナー打ち合わせ | 2 名 | 10 名 |
12 月 6 日 | Zoom 体験基本編講座 ※ | 1 7 名 | 7 名 |
12 月 8 日 | Zoom 体験基本編講座 ※ | 1 5 名 | 7 名 |
12 月13 日 | Zoom 体験ホスト編講座 ※ | 1 8 名 | 9 名 |
12 月14 日 | Zoom 講座セミナー「大川小学校の教訓を未来の防災・ 減災に生かす」 ※1 | 6 名 | 20 名 |
12 月15 日 | Zoom 体験ホスト編講座 ※ | 1 7 名 | 5 名 |
12 月18 日 | Zoom セミナー「新型コロナウイ ルス感染対策と避難所運営」※ | 15 名 | 24 名 |
12 月19 日 | Zoom セミナー「web フォームを 使った情報訓練」 ※ | 18 名 | 6 名 |
12 月 22 日 | 第 5 回理事会 | 7 名 | 11 名 |
1 月 26 日 | 第 4 回運営委員会 | 20 名 | |
2 月 15 日 | インターネット委員会 | 7 名 | |
2 月 23 日 | 第 5 回運営委員会 | 25 名 | |
3 月 7 日 | 支援室・防災訓練委員会 情報伝達訓練ミーティング | 8 名 | |
3 月 10 日 | 〃 | 8 名 | |
3 月 13 日 | 〃 | 9 名 | |
3 月 15 日 | 〃 | 6 名 | |
3 月 16 日 | 〃 | 9 名 | |
3 月 11 日 | 東日本大震災 10 年追悼のつどい ※2 | 13 名 | |
3 月 23 日 | 第 6 回運営委員会 | 20 名 | |
3 月 27 日 | 東日本大震災 10 年オンライン講演会 ※2 『震災を乗り越えて』~あなたならどうする?~ | 6 名 | 51 名 |
3 月 28 日 | 東日本大震災 10 年オンラインセミナー ※2 長野災害時ネットワークとの交流フォーラム | 7 名 | 38 名 |
4 月 16 日 | 事務局ミーティング | 5 名 | |
4 月 24 日 | 事務局ミーティング | 6 名 | |
5 月 3 日 | 2021 第 1 回運営委員会 | 6 名 | 13 名 |
5 月 11 日 | 2021 第 1 回理事会 | 5 名 | 10 名 |
※1 横浜市市民公益活動緊急助成金事業
※2 東日本大震災 10 年関連事業
活動日 | 活動名 | 活動場所 |
2 月 3 日 | 横須賀三浦地区における災害に備えた 地域勉強会 | オンライン開催 |
3 月13 日 21 日 | かながわコミュニティカレッジ 災害ボランティアコーディネーター養成講座 | かながわ県民センター |
3 月17 日 18 日 | 第 25 回震災対策技術展 | パシフィコ横浜 |